2017年4月13日木曜日

天使は飛べるか?


 鳥には、竜骨突起と呼ばれる骨がある。これに翼を動かすための大きな筋肉がくっついていて、鳥は空を飛ぶことができる。

 昔、人間のなかにも鳥と同じように空を飛ぼうと試みた人たちがいた。しかし、計算にもとづいてどんなに良い翼をつくっても飛ぶことはできなかった。
それは、翼を動かすのに必要な強い筋肉がなかったからだ。足の力をつかってもまだ足りない。空を飛ぶためには、もっと強い筋肉とそれを支える骨が必要だったのだ。

 竜骨突起があるので、鳥の胸はみんなピンと張り出している。鳥以外の空を飛ぶ生物、たとえばコウモリにもちゃんと竜骨突起はある。
 古生物学者で地質学者でもある井尻正二さんの、小・中学生向けの本の中に「天使はとべるか?」というお話があった。天使の胸はペタンとしていて竜骨突起があるようには見えない。仮に強い筋肉があっても、それを支える骨がなくては十分に力を発揮することはできない。だから、翼はあっても天使は空を飛べないだろう、という内容だった。


 それでも、もし天使が空を飛べるなら、可能性として残っているのは「天使はコン虫の仲間」ということだろうか。コン虫なら竜骨突起がなくても羽を動かして空を飛ぶことができる。
 コン虫にも骨格と筋肉があり、すばやく動くことができる。力も強い。外骨格と呼ばれ、骨でからだの外側をスッポリと包んでいる。我々とはずいぶん異なったつくりだが、筋肉を支え、からだの内部を保護するなど、はたらきは我々の骨格と同じだ。

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