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周辺の部族を攻め滅ぼしながら、イスラエル軍はついにカナンの地に入った。モーゼの後継者となったヨシュアは厳しく軍紀を保ち、エリコをはじめ全部で31の国を滅ぼした。彼の死後も領土の拡大は続けられたが、しだいに内部からの堕落が目につくようになりはじめ、ついには異教の神を奉る者まで現れた。
このころのイスラエルには、まだ国としての基盤がなく、道具を作る技術もなかった。そのため、鋳造による剣を敵国のペリシテから手に入れているようなありさまだった。ペリシテやアンモンなど周辺の国々から攻められ、時には支配されることもあったが、歴代の王や英雄の獅子奮迅のはたらきによってなんとか苦境をしのいできた。中でも身の丈3mの巨人ゴリアテを倒したことで有名な、ダビデは連戦連勝で、ついにはイスラエル全域を支配するに至った。古代イスラエル王国はヘブライ王国とも呼ばれる。ヘブライとは「川の向こうから来た人」の意味である。
イスラエルの民がエジプトを出てから470年、ダビデの子ソロモンの時代に王国は栄華を極めた。およそ、紀元前 千年頃のことである。ソロモンの知恵と富は広く知れ渡り、王に拝謁を求める客が世界中からエルサレムに集まった。中でも「シバの女王」(エチオピア)は有名である。
また、彼の妻も世界中から集まり、その数は700人にのぼった。しかし、妻にせがまれるままに異国の神々の祭壇を数多く造り民心が乱れたことや、栄華を支えた重税への不満などから、彼の死後ほどなくして王国は分裂した。
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