2017年4月4日火曜日

地球と生命の歴史③「惑星テイアと月の誕生」

 およそ46億年前に太陽が輝きはじめ、太陽系も形づくられた。その頃には25の惑星があって、太陽の周囲を回りながらそれぞれの軌道を安定させようとしていた。地球の表面はまだ泡立ちながら煮えたぎる溶岩の海に包まれており、太陽から降り注ぐ荷電粒子(太陽風)にもさらされていた。


 それから、5000万年が過ぎた頃、地球は同じ軌道上を回っていた惑星テイアと衝突した、というのが、ジャイアント・インパクト説である。その衝撃でテイアの中心部分にあった鉄が地球の内部に流れ込み、地球は大量の鉄を含んだ高温・高密度の核を持つことになった、と言われている。
 ドロドロにとけた鉄の核は、磁気シールドを形成し、太陽風を防ぐはたらきを始めた。鉄の核を持たない火星や金星では、太陽風によって大気中の水蒸気が水素と酸素に分解され、特に火星では大気そのものも宇宙空間に吹き飛ばされてしまった。

 惑星テイアからの贈り物は、鉄だけではなかった。粉々になった破片は、地球を雲のように覆っていたが、しだいに互いの重力で引き合い巨大なボールになった。こうして、1ヶ月から長くても1年たらずの間に月の原型ができあがった。
 月は、地球の軌道を安定させるとともに、4時間だった地球の一日をしだいに長くしていった。また、毎日くり返す潮の満ち引きは、現在もさまざまな生物に影響を与え続けている。



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