2017年4月19日水曜日

脳のはたらき③「立体が分かる」「しくみが分かる」


《 空間関係をつかむ 》
 左のような線のつながりを見て、サイコロのような立体をイメージできるのは、脳が空間関係をつかもうとはたらいているから。
 折り紙のでき上がりを予測したり、野球の大きな当たりを後ろ向きに追いかけて振り向きざまにキャッチしたりする時に発揮されるのも同じ能力。
 しかし、私も含めて、これらをにがてに感じる人は多いと思う。この能力を高めるには、折り紙にしろ野球にしろ、くり返し練習することしか方法はないようだ。

 以前、月や惑星の満ち欠けを、黒板に描いた円で説明したときに、スッキリしない顔をしている生徒がいるので、円を描くかわりに球形のボールを貼り付けたら、それだけでその子が「わかった!」と叫んだことがある。

《 しくみを知る 》
 昔、身のまわりにある道具の多くは、子どもにも原理やしくみが理解しやすかった。友人の持っていた怪獣のプラモデルが車輪でなく歩いて移動するのに驚き、その仕組みを見せてもらったときの喜びが忘れられない。

 さらに昔、古代の人々も自然をながめては、いろいろな不思議を感じたことだろう。「夜空が暗いのはなぜか?」「星はなぜ光るのか?」「星座は動くのに、形が変わらないのはなぜか?」そして、そのしくみを考えた。

 「空と地上の間に光をさえぎる幕がかけられるから夜になる」「星は、その幕にあいた虫食い穴で、そこから空の光がもれているのだ」「誰かがその幕を、ひと晩かけて引き、取り除くと朝が来る」「そのとき、虫食い穴も幕といっしょに動くけれど、穴の配置は変わらないから星座は同じ形を保つのだ」

 たとえ見当はずれでも、しくみに納得できると「分かった!謎がとけた!」と、喜びが得られる。

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