2017年7月15日土曜日

質量保存の法則とScratchのモデル


 「モノが豊かになって、心が貧しくなった」と言われることがある。しかし、モノが豊かになることはない、というのが質量保存の法則。
 たとえば、ホットケーキをつくれば増えたホットケーキの分だけ材料の小麦粉は少なくなる、という法則。何もないところから物が生まれてくることはなくて、そう見えるときは別の場所から移動してきたか他の物が姿を変えただけ、という法則。
 だからもし、身の回りに物があふれていて、何も不自由を感じないとしたら、どこかに物がなくて困っている人たちがいるのかも知れない。「モノが豊かになると、心が貧しくなる」は、他所の不便に気づかずに、自分たちだけの便利なくらしを楽しむことを戒めることばかも知れない。
  ずっと以前に読んだ「公園通りのソクラテス」にたしかそのような記述があった。(新時代工房著、汐文社)


 さて、化学変化の前と後とで、原子の数は増えたり減ったりしない、というのが理科に出てくる「質量保存の法則」。これを利用すると、目に見えない物質でもその発生した量を知ることができる。
 ところが「目に見えない」ものだから、実験で発生した気体の量を質量で答えたり、2つの材料が過不足なく反応する量を推測したりすることは、中学生にとってやっかいな問題のひとつだ。その助けになればと思い、Scratchを使って説明のためのモデルをまた作ってみた。

 ビーカーの中の塩酸に炭酸水素ナトリウムを加える実験。


 仮に炭酸水素ナトリウム1.0gをビーカーの中に入れても、全体の質量は0.5gしか増加しない。それは、二酸化炭素が発生して空気中に逃げ出したためだ。


 2g、3gと、加える量を増やすと、発生する二酸化炭素の量も多くなるのがわかる。

 しかし、4.0g以降は、加える量を増やしても、新たに二酸化炭素が発生することはなく、加えただけ質量が増加する。
 それは、ビーカーの中の塩酸がすべて反応してしまったからだ。
https://scratch.mit.eduのwebページ内を「habaki」で検索すると、見つかると思います。



iPadの場合、QRコードが便利です。カメラを左の画像に向けると、自動的に「リンク先をsafariで開く」旨が表示されるので、そこをタッチすればプロジェクト(=アプリ)が起動します。





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