2017年8月24日木曜日

エイリアンとシダ植物


「エイリアン」は1979年公開のSF映画。それ以後、異星人を示すことばとして定着した。地球上の一般的な生物とはずいぶん違う、と感じさせられたのは、その繁殖のしかただ。
 タマゴから生まれるのは、長いしっぽを持ったエイのような生物。エイとリアンでエイリアンかと思ったら、フェイスハガーという名前だそうだ。人間の顔にはりついて寄生する。フェイスハガーはすぐに死んでしまうのだけれど、その間に子ども(卵?)を人間の体内に産みつける。
 地球の生物だと、フェイスハガーからはフェイスハガーが生まれそうなのに、エイリアンの場合はチェストバスターが生まれる。手足のないチェストバスターはオタマジャクシがカエルになるように成長し、やがて人間を襲うエイリアンになる。
 親と子がまるで違う、別の種類の生物のようなからだを持っているところが異星人らしさだけれど、地球にも同じようなくらしをしている生物がいる。
 シダの胞子から生まれるのは、ハート形の前葉体。受精をするためのからだ。乾燥に弱く、湿ったところでしか生活できない。その、前葉体が受精してできる子どもがシダの本体、胞子を作るためのからだだ。前葉体の中から伸びて、乾燥にも耐え、大きく成長することができる。
 エイリアンは進化の究極、と言うがそうだろうか?シダの場合、前葉体の時期があるために乾燥地帯に進出できないでいる。エイリアンも、フェイスハガーの間は最強とは言えないようだ。
 コケは前葉体を強化する方向に進化し、そちらを本体にすることで弱点を克服した。種子植物は、それを吸収して隠す方向に進化し、花粉管がそれにあたると言われている。


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