2017年4月6日木曜日

地球と生命の歴史⑥「多細胞生物の登場」



 現在の原核生物には葉緑体を持つ藍藻(藍色細菌)
のグループと持たない細菌のグループがある。持た
ない細菌のグループは球菌、カン菌、ラセン菌の3
つに分けられる。
 初期の生命であるメタン菌やシアノバクテリアなど、単細胞バクテリア(細菌)は非常に速く増殖することができる。それは、彼らが小さくて単純なつくりをしているためで、原核生物と呼ばれる。
 シアノバクテリアが吐き出した酸素は、はじめ海水中の鉄分を赤さびに変えて海底に沈めた。結びつく鉄分がなくなると、さらに増え続け、今度は多くの細菌を中毒死させることになった。

 この大絶滅を生き残った生物の中から、真核生物が誕生した。今から20億年ほど前、地球の歴史を1日に例えれば午後1時30分頃である。真核生物は大きくて複雑なつくりの細胞を持っている。酸素を嫌って熱湯の中に住んでいたバクテリアが、大事な遺伝子を酸素の毒から守るために膜で包んだのが始まりと考えられている。
 さらには、ミトコンドリアやシアノバクテリアなどと共生し、べん毛で泳ぎ回るものも現れた。ミトコンドリアは、酸素を利用して同じ養分から10倍のエネルギーを取り出すことができる。シアノバクテリアは葉緑体になり、スピロヘーターは動き回るためのべん毛に変わった。
 真核生物は、原核生物にくらべとても活発で、他のバクテリアを丸ごと飲み込んで簡単にエネルギーを得ようとするものや、オスとメスに別れることで、色々なタイプの子孫を残そうとするものなど、生き残るための様々な戦略が試されるようになった。


ディキソニアがこの時代最大の生物で、
大きい物は1.2mに達した。
 10億年前、1日に例えれば午後7時頃、細胞と細胞がつながっている生物、多細胞生物が登場した。わたしたちヒトも多細胞生物で約60兆個の細胞でからだができている。細胞の合体は、他の生物から食べられないようにからだを大きくするための工夫だと考えられている。それでも、今から6億年前までは、顕微鏡でないと見えない大きさのものばかりだったが、1日に例えると夜の9時頃に突然の大型化がはじまった。



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