2018年10月16日火曜日

精子の旅「みんなは一人のために」


 人間の細胞はそれぞれが10万の遺伝子を持っている。5万は父親、残りの5万は母親からもらったものだ。10万のうち、およそ93%は父親と母親のものがまったく同じ。つまり、ヒトに共通の部分だ。だから、残り7%がヒトの中にある色々な個性を決めている部分だといえる。目の色や血液型が違うのは、この部分の遺伝子のはたらきだ。

 たった7%でも、遺伝子の数は7000。その組み合わせによってできる個性の種類は27000となり、世界中の砂粒の数よりもはるかに多いのだそうだ。
出発時に、2億あった精子も
卵管では6万に減っている。
卵にたどりつけるのは約100。
受精した卵は、細胞の数を増
やしながら、卵管から子宮へ
移動し、着床する。

 ヒトの精子では、1億〜4億のうちたった1個だけが受精できることはよく知られている。卵(らん)の場合はどうだろうか?

 卵は子どもを成長させるための栄養をたっぷり含んでいるので、大きさ(直径)が精子の約30倍もあるかわりに、数は少ない。それでも、卵になる細胞は母親が胎児のときからすでに700万個が用意されている。その中から受精卵の候補となるのは、わずか300〜400個だ。

 このように、精子だと1億〜4億個、卵でも700万個の中からごくわずかなものだけが選ばれて、次の世代の生命になることができる。それは、より良い遺伝子を子孫に伝えるためと考えられているが、一等賞の精子が受精できるわけではない。精子一匹の力では卵を包む膜を破ることができないからだ。

 早く到着したものから順にアタックを重ね、ついに膜が破れたときに、たまたま到着した一匹だけが受精できる仕組みになっている。精子はチームとして助け合いながら卵を目指していることが、最近の研究で明らかになってきた。

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