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これは、その古い図を見つけた熊さんに、長屋の大家さんが知ったかぶりをしながら説明してあげるお話。
熊 「大家さん、いるかい?」
大 「やあ熊さん、何の用だい。」
熊 「実は、こんな書きつけが出てきてね。お宝かも知れねえと、思ってさ。」
大 「どれどれ、やけにボロボロだね。虫喰いもひどいや。」
熊 「実は、こんな書きつけが出てきてね。お宝かも知れねえと、思ってさ。」
大 「どれどれ、やけにボロボロだね。虫喰いもひどいや。」
大 「これはあれだな、菓子屋の手引書だな。」
「題は『アイスクリームができる』だな。」
熊 「なるほど、じゃあコウゲンてのは?」
大家さんが頭に描いているイメージ |
大 「菓子屋の職人に、コウさんと源さんてのがいたに違いないね。だから『コウ・ゲン』は、二人の住んでる長屋のことだ。そこから、作業場の『フレンズ』まで通ったんだろうよ。」
熊 「『レンズ』としか書いてませんよ。」
大 「『フ』はかすれて消えちまったのさ。フレンズてのは、職人仲間のことだな。」
熊 「フレンズかぁ、スウィーツを売る菓子屋の名前かも知れませんね。」
大 「『フ』はかすれて消えちまったのさ。フレンズてのは、職人仲間のことだな。」
熊 「フレンズかぁ、スウィーツを売る菓子屋の名前かも知れませんね。」
大 「源さんは、いつも作業場の真ん中に直行だけど、コウさんは、必ず商店に寄るんだね。」
熊 「何かを仕入れてたんですかね?」
大 「アイスの受け皿かも知れないね。」
大「二人とも、真っ直ぐにしか進まないところが、一本気の職人らしくていいねえ。」
熊「長屋が作業場に近いほど、でっかいアイスができますね。配達はコウさんがやってたんだな。」
大 「小せえのは、すぐにとけちまうけど、でっかいのは遠くまで配達できるんだな。」
熊 「さすが大家さん、何でもご存知だ。」「最後に、じつぞうてのは何です。」
大 「じつぞうかい・・・それは・・・菓子屋の親方の名前に違いないね。」
※ この図面は、描かれた直後には、こんなでした。
数日後、また熊さんがやって来ました。
熊 「この前の書きつけなんですがね、よく見たらもう一本矢印があるんですよ。」
大 「どれどれ、おや本当だ。何か書いてるね、細かすぎて読めないよ。」
熊 「コウジクニヘイコウかな?」
熊 「コウジクニヘイコウかな?」
大 「そりゃあ、『こうじ君にヘイ公』かも知れんな。」
「職人に『コウさん』てのがいたね、あれが『こうじ君』だな。ヘイ公は、職人見習いだろうね。」
熊 「なるほど、ヘイ公は真っ先に作業場に着きそうですね。みんながそろうまでに、掃除をしとくんだな、きっと。」
大 「そのあと、商店で何かを買って、コウさんに届けるのが仕事だったんだな。」
熊 「何を届けたんだろうなぁ?さっぱり分からねえや」
大 「おいおい、さじを投げちゃダメだよ。」
熊 「あっ、さじか」
※ コウジクニヘイコウは「光軸に平行」と書きます。また、このお話ではコウさんとゲンさんが中心でしたが、作図では、ヘイ公とゲンさんがよく使われます。
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