2025年2月26日水曜日

中学校理科のどっちだっけ?_⑨「双子葉類と単子葉類」

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被子植物の進路相談

◯ 被子植物には双子葉類と単子葉類がある

《 双子葉類 》 

先生「将来はどんな仕事につきたいの?」
種男「僕の夢は、大きな木魚(もくぎょ)になることです」
先生「木魚だと、そうしようコースね」
種男「お坊さんが使うから、『僧使用』ですか?」
先生「いいえ、『双子葉類』には形成層(けいせいそう)があって、茎を太くするはたらきがあるの。良い木魚になるには、茎を太くすることが大切なのよ」

種男「なるほど、制服はありますか?」
先生「根も茎も葉も、どれも魚の骨に似たデザインね」
種男「木魚だから魚なのは分かるけど、どうして骨なんだろう?」

先生「身が注目されがちだけど、骨には根本という意味があるの。気骨(きこつ)は強い信念のことで、骨子(こっし)はものごとの要点という意味よ」
種男「分かりました、僕も立派な木魚になれるようがんばります」

 その夜、種男くんは魚の尾びれのような芽の出てくる夢をみた。


《 単子葉類 》

先生「種彦くんは、炭火焼きの串になりたかったのよね」
種彦「はい、ウナギの蒲焼(かばやき)が第一志望です」
先生「そうすると、たんしようコースね」
種彦「炭火焼きだから、『炭使用』なんですか?」
先生「いいえ、単子葉類には形成層がないの。太くはならないけど、まっすぐに伸びられるわ」

種彦「なるほど。制服も直線的でシュッとしていますね」
先生「そうね、いかにも粋な職人さんらしいわね」
種彦「はい、僕もひとつの道を究めたいです」

 その夜、種彦くんはウナギの尾びれのような芽の出る夢をみた。



◯  双子葉類には、2つのグループがある

《 離弁花類 》

 種男くんの進んだ双子葉類クラスには、2つの班があった。ラッキー班とクッキー班のだ。ラッキー班のテーブルには、バラ、サクラ、アブラナの3人が座っていた。
種男「みんな名前に『ラ』がついているんだね。だから、ラ付き班なのかな?」

バラ「ちがうよ、それは偶然」「ラッキー班は、花びらが1枚1枚離れている『離弁花類』の班だよ。ここにはいないけど、エンドウさんもラッキー班だしね」

 説明を聞いて納得した種男くんだったが、あとでエンドウさんから「実は、わたしも平安時代にはノラマメと呼ばれていたの」と教えられ、やっぱりみんなラがついてるんだと思った。


《 合弁花類 》

もう一つのグループクッキー班にはタンポポ、ツツジ、アサガオがいた。
種 男「ポポとかツツとか、同じ音のくっついた名前が多いね。だからクッツキ班なの?」
ツツジ「ちがうよ、それは偶然」「クッキー班は、花びらがくっついて1つになっている『合弁花類』の班だよ。その証拠にアサガオさんには文字の重なりがないよ」
 説明を聞いて、納得した種男くんだったが、あとでアサガオさんから「実は、わたしもシノノメグサと呼ばれるときがあるの」と教えられ、やっぱりみんな音のくっつきがあるんだと思った。

◯  単子葉類は分かれない

 ローカの向こうから、単子葉コースの種彦くんとランちゃんがやって来た。
種男「ランちゃんの花びらは分かれてるね、やっぱりラッキー班?」とたずねたら、
ラン「ちがうの、私たち単子葉クラスには、合弁花・離弁花という区別がないの」
種彦「それだけじゃないよ、草と木の区別もないんだ。僕の尊敬するタケ先輩はイネの仲間なんだって」と教えられた。

 それを聞いて種男くんは「タケとイネが同じ仲間なのか、タコとイカが同じ仲間なのと似てるね」と思った。

《付録?》

 わたしの地域では教科書がかわって、新たにシロツメクサが登場した。離弁花類なのに、ラがないと思っていたら、別名オランダレンゲというらしい。また、身近な花の代表ともいえるヒマワリは合弁花類。英語でもsunflower(サン フラワー)で、音の連続がないと思っていたら、本来はsun-follow(太陽-追いかける)だったとの説もあるらしいのでギリギリセーフ。

同じ内容の江戸時代バージョンはこちら

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