2017年7月11日火曜日

古きを知って、新しきに伝えたい

目次    

 居合道の古流稽古会に参加した。開祖の林崎甚助は戦国時代から江戸時代前期にかけての人なので、約400年の間に様々な流派が誕生している
 今回、指導していただいた2人の先生は、同じ流派ではあるが、別々の師の元で修行されたのだそうだ。すると、同じ名前の技でも微妙に違いがある。技を始める前の刀の持ち方や礼の仕方にも違いがあった。

 教わる側からすればまごつくばかりなのだが、これはごく普通のことであるらしい。仮に同じ師について学んだ場合でも、若いときと老いたときとでは、師自身の修練の深まりが違うので、どの時期に師事したかによっても違いが出る。
 そうであるならば、指導に当たる2人の先生で、事前に
ち合わせをしておいてくれれば良いのにと思うのだが、そうはしない。どちらの先生も「ふだん学んでいることは忘れて、今日は私の言う通りにしてください」と、それぞれが自分の学んだ通りを私たちに伝えようとするのだ。

 さて、先生方のお話の中から印象に残ったことをまとめておく。
・ ゆっくりでも正確で大きな技を目指しなさい。小さくても正方形であることが大切です。急ぐとそれが菱形などに歪んでしまいます。小さな正方形がやがて大きな正方形になり、そして角がとれて丸くなります。
・ 私は先生から、やり方を教えてもらったことはありません。先生はダメ出しをするだけです。どうやればうまくできるかは、自分で工夫しました。だから、守・破・離といいますが、言われたことをただやるだけの守はあり得ません。自分なりの工夫が不可欠です。
・ 先生から学んだことを、次の人に伝えるのが自分の役割だと考えています。

 どれも、私にとって目からウロコのお話だったが、もっともハッとさせられたのは3番目。内田 樹さんの著書に「師」であるための条件として、まったく同じことが書かれていたからだ。それによると、師から自分、自分から弟子と、過去から未来に続く長い鎖の中の、輪のひとつであるという自覚が「師」の条件として欠かせないのだそうだ。使命感だけでなく自尊感情にもつながることが、競技者ではない我々にも精進のエネルギー源としてはたらくようだ。

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