2018年1月8日月曜日

「負けて悔しい」とは、気安く言えない

目次    

 剣道七段の先生からお話を伺う機会があった。まだ若く、国際的な大会で優勝したこともある、現在も活躍中の先生だ。


◯ 道場での稽古の後、帰宅してから素振りを500本以上している。パワーをつけるための重い竹刀、スピードをつけるための軽い竹刀など、目的に応じて竹刀を使い分けて振っている。
◯ 試合などでは、会場に到着する前にアップを済ませておく。会場周辺で素振りなどをしている人を見た時に、精神的に優位に立てる。
◯ 大会の性質に応じて、ウェイトコントロールをしている。体当たりの際に、当たり負けしないよう体重を増やして試合に臨むこともある。
◯ 剣道は瞬間の競技だが、試合には一本につなげるための作戦があり、自分は「理詰め」の感覚で試合をしている。

◯ 六段の頃、講習会で「基本ができてない」と言われた。具体的には、打突の後に右足のかかとを床につけてすり足をする癖があった。両足のかかとを浮かせることを意識すると、左足の引きつけが速くなり、スピードがアップする。

 打突後のすり足については、他日に別の先生からも、中央で活躍している八段の先生のスピードに驚き「これまでの自分の剣道はなんだったのか?」と、しばらく竹刀を握る気がしなくなるほど衝撃を受けた、との話を聞いた。
 
 趣味とは言え、トップを目指す方々は、皆さん同じように厳しい態度で競技に取り組んでいるのだろう。気安く「負けて悔しい」などとは言えないなあ。
 風邪などで、38度くらいの熱が出ても稽古を休まない。「熱があっても試合には出なくちゃいけないのだから、それなりの試合ができるように慣れておきなさい」との学生時代に受けた指導を守っているのだそうだ。
 とても真似はできないが、目下のところ私は、正しくすり足ができるように練習中です。


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