2019年2月23日土曜日

実はすごい、恒温動物


 右の図は、全長30mの恐竜ディプロドクス。4本の脚でからだを持ち上げている。テレビや映画でもおなじみのシーンだが、はじめから、このように立ち上がっていた訳ではない。

 下の図は、カーネギー研究所のヘイが考えたディプロドクス。彼は直立して生活するほ乳類や鳥類が、這(は)って生活するワニやトカゲにくらべて莫大(ばくだい)なエネルギーと酸素を消費していることに着目した。
 冷血の恐竜には、立ち続けているための体力がないことに気づき、ワニのように水辺を這って生活している姿を想像した。


 みんなが彼に賛成したわけではない。ディプロドクスの胴体はワニのように横に広がった形ではないので、腹這(はらば)いだと地面にお腹がつかえてしまう。「前に進むためには溝が必要」など、ヘイの説に疑問を持つ科学者も多くいた。
 しかし、新しい化石が発見され、恐竜が極寒の地でも活動できる温血動物だったことが証明されるには、これから60年以上の年月が必要った。

 こうして、ディプロドクスは腹這いの生活から解放された。さらに、姿勢以外の点でも、様々なことがらが見直されることになった。

《 恐竜が恒温動物だと 》
◯ 姿勢 ・・・トカゲのように腹這いでなく、すっくと立った姿勢を保つことができる。
◯ 生活場所・・南極のような寒い場所、季節でも活動できる。
◯ スピード・・もし、冷血=変温動物なら、全力疾走してもヒトが歩く程度のスピードしか出せなかったはずだが、今は鳥のように素早く動けたはずと考えられている。
◯ 脳の発達・・体温を適温に保つのは脳のはたらき。そのため、恒温動物は脳が大きい。また、発達した脳の機能を維持するためにも、恒温でエネルギーを生み出し続ける必要がある。
◯ 子育て・・・昔、恐竜は卵を抱いても暖められないし、脳が発達していないので、エサと子どもの区別がつかなくて食べてしまうと考えられていた。現在は、鳥と同じように子育てをして、知能も高かったと考えられている。


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