2017年5月23日火曜日

化学式は万国共通のなまえ


  現在、約800万種類の物質が知られている。それらはすべて、約100種類の原子が組み合わさってできている。これは、46文字の組み合わせで、1万語以上を表す、50音とことばの関係に似ている。
 ひらがなの「あ」だけでは何の意味も持っていないが、「か」と結びついて「赤」になる。くっつく相手によっては「青」にもなれる。また、中には「い」や「え」のように1文字だけで言葉になれるものもある。

 物質には日本語のなまえと万国共通のなまえがある。この万国共通のなまえを「化学式」と呼ぶ。日本語のなまえと化学式の間にはいくつかルールがあるので、知っておくと暗記が楽になる。

《 ルール① 》化学式を逆から読むと日本の名前になる
 国際的な名前を逆から読むと、日本の名前になる。アメリカのマリ・ミズタさんが日本では水田真理さんになり、遠藤沙也さんはサヤ・エンドウになるようなものだ。CO2は「2」から読んでいって二酸化炭素、HClも塩化水素になる。硫化鉄を化学式にするときはFeを先に書いてFeSだ。
 ただしH2Oは「酸化二水素」ではなく、身近な物質なので特別に「水」というなまえで親しまれている。同じように、NaHCO3も三酸化炭素水素ナトリウムとなりそうだが、CO3が科学者にとってはごく身近な部分なので、親しみをこめて「炭酸」と呼ばれている。
*「素」や「黄」が「化」に変わるのもルールかな?

《 ルール② 》なまえを勝手に変えてはいけない。
 知人に「ひろしげ」さんという人がいる。「ひろし」だけなら爽やかだ。「げ」をなくしたい、とよく嘆いていた。そう言いながらも、名前なので変えるわけにはいかないし、内心では気にいってもいるようだった。
 さて、化学式の場合もH2OをHOやH2O2にしたくなるときがある。しかし、名前なので変えてはいけない。もう少し勉強が進むとH2Oには2がつくのに、HClにはついてない理由もわかるようになるけれど、今は小さな数字も含めて「化学式を勝手にかえてはいけない」と肝に銘じておこう。
* 化学反応式の説明は、「ひらがな化学反応式」へ

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